-はじめに
「ベリーダンス」はもともと、紀元前エジプト・ペルシャ帝国あたりで生まれたと言われており、古代文献や壁画に踊り子が登場するものの、実ははっきりとした発祥地・時期はわかっていないと言われています。ベリーダンスという名称で呼ばれる前は、「ラクス・シャルキー(=東洋の踊り)」という名称で親しまれ、愛されてきたダンスです。
ベリーダンスが生まれたと言われるエジプシャン・オリエンタルスタイルがまず確立し、その後イスラム・ヨーロッパへ広まり、長い時間をかけてアジア~アメリカに至るまで、全世界へ伝わりました。
また、その過程でさまざまなジャンルに分化していきました。
■ エジプシャンスタイルとは
もっとも伝統的で優美、ソフトで詩的、まるでペルシャ時代の神話の中に迷い込んだような神秘的な印象のスタイルです。ベールを激しく振ったり、回転したりなどの大きな動きはありません。
また、必ず素足で踊り、フロアワーク(床にひざをつく・寝そべる)などのムーブメントはありません。
柔らかく、独特の雰囲気に包まれ、華麗なステップも多く存在します。
ソロ・即興で踊られることが多く、優雅でエレガント、かつ繊細で、結婚式やパーティー、フォーマルな場にも似合うスタイルです。
見慣れないと、動きも控えめなので簡単そうに見えますが。実際に踊ると細やかで、難易度の高いテクニックを必要とします。
重心はターキッシュスタイルよりもずっと低めの状態で踊ります。
しっかりグラウンディングした下半身の安定感から生み出される、
切れの良い動きが特徴です。世界的な潮流からいえば、オリエンタルベリーダンスといえばエジプシャンが主流と言われています。
■ エジプシャンとターキッシュの違い
【エジプシャンスタイル】
エジプシャンはベリーダンスの中で日本で最も踊られているスタイルです。アラビア語では『ラクスシャルキィ』とも言われます。踊りは優雅さや繊細さが特徴で、感情を込めて歌詞や音を表現します。
そして地域ごとの土着のダンスは『エジプシャンフォークロア』と呼ばれます。多彩なテクニック・エジプト音楽の知識が求められます。
【ターキッシュスタイル】
ターキッシュはトルコを発祥とするスタイルです。踊りにスピード感があり、華やかでダイナミックかつ露出が高めの衣装で、ハイヒールで踊ります。エジプシャンと真逆と言っても過言ではありません!
ロマ民族の影響を受けたリズムが使われ、寝転がったり、膝をついたりするフロアワークも特徴です。
■ エジプシャンスタイルの優雅な衣装
衣装は、他のスタイルに比べあまり露出せず、ブラ、タイトなスカートにスリット、アームカバーや幅広のヘッドバンド、露出を抑えるため、ブラとメッシュ素材のトップスを重ねたりもします。素材はサテンやジョーゼットシフォン、ラメ、スパンコールなど、輝く素材が好んで使われます。コインやビーズワーク、ラインストーン、スパンコール、刺繍等の、華麗な衣装が大変多いです。
小道具では、アサヤとよばれるステッキを華麗に扱う派生スタイルもあります。
■ 生演奏の音楽も魅力!有名な曲とは
エジプトはアラブ文化圏の芸能の中心地です。ベリーダンスで踊られる曲も、重厚なエジプト近代歌謡の名曲やリズミカルな現代のアラビック・ポップなど多種多様です。楽器の構成はダルブッカやレクなどの打楽器を主役とします。「Ana Bastanak(アナバスタナック)」
悲恋の歌としても有名なクラシックエジプシャンソングです。アラブ・クラシック音楽の中でも、世界中のベリーダンサーに踊り続けられている曲の一つです。
「Harem berry dance(darduka)」
この曲は始まりから終わりにかける楽器のみの演奏が特徴で、歌を入れずに楽器で魅せるということにこだわった曲。太鼓の音がリズミカルに入っているので、ハマると止まらなくなりそうです。
「BellyDance(Alla Kushnir)」
曲のダイナミックさとメロディーの壮大さは、踊る側も、見る側も引き込まれるような曲になっています。Youtubeで踊っている女性のようにピタッと音がはまったらとてもカッコよく見せることのできる曲ではないでしょうか。単調の曲の中にもメリハリがあり、ベリーダンスの上級者にオススメです。
-終わりに
いかがでしたでしょうか?今回はエジプシャンスタイルに注目をしてみました!伝統的な要素がいっぱい詰まっているスタイルですね!また、ベリーダンスのスタイルはまだまだたくさんあります!
NOAのダンス教室でもプロの講師の方々が様々なスタイルのレッスンを行っています。ぜひ経験者の方も初心者の方も自分に合ったスタイルを見つけてみてはいかがでしょうか?