はじめに
ハワイアンミュージック(以下、ハワイアン)の象徴的な楽器と言えばウクレレを思い浮かべる方が多いと思います。実はその他にも、一般的には知られていませんが魅力的な「隠れた名楽器」がハワイアンにはたくさん使われています。今回はハワイアンの演奏にかかせない楽器に焦点を当てて紹介していきます。
■ ハワイアンミュージックの特徴
ハワイアンは楽器が織りなす優しい音色が印象的な音楽です。特徴として、スローからミディアムテンポであることや、長調であることが多い点が挙げられます。また、この要素から少し外れていても、ハワイ発祥の音楽やそれに影響を受けた音楽のことはハワイアンミュージックと呼ぶことがあります。癒し効果が高いため、リラックスしたい時に最適だと言われています。
■ ハワイアンミュージックの楽器
(1) スチールギター
ハワイアンではメロディーを担当することが多く、ハワイアン・ギターと呼ばれることもある楽器です。ギターを横に寝かせたような形が特徴的で、スチール弦を使って金属棒で弦を押さえて演奏します。エレキタイプとアコースティックタイプがありますが、どちらも優しくなめらかな音色を奏でます。
(2) ウクレレ
軽やかで可愛らしい音を奏でるハワイアンを代表する楽器です。ギターのような形をしていますが、サイズが小さいため初心者の方も挑戦しやすいと言われています。ウクレレはハワイ語で「飛び跳ねるノミ」という意味で、演奏するときの指の動きがノミに似ていることが名称の由来です。
(3) ヴィブラフォン
鉄琴の一種ですが、普通の鉄琴よりも大きく低い音が出る楽器です。音のふるえ=ヴィブラートを起こす仕組みが特徴的なことからヴィブラフォンと名付けられました。軽やかな音色の楽器が多いハワイアンの中で、曲に厚みを持たせる役割を担っています。
■ ハワイアンの伝統楽器
(1) イプ
ひょうたんで作られた、ひょうたんの形をした打楽器です。床に底を打ち付けるか、手で叩いて音を出します。
(2) ウリウリ
ココナッツや椰子の実、ひょうたんなどの中に植物・貝を入れて、持ち手をつけた楽器です。マラカスのように振ったり、太ももに軽く打ち付けたりして音を鳴らします。
(3) パフ・フラ
ココヤシの木から作られた楽器で、ドラムの役割を担います。皮を張っているためとても重く、許可されたもの以外触ってはいけないとも言われる神聖な伝統楽器です。
(4) イプヘケ
上記で紹介したイプの種類の1つで、上下に2つのイプが重なっている打楽器を指します。フラダンスの伴奏に用いられることが多く、フラダンサーが踊りながら演奏することもあります。