--はじめに
みなさんはタヒチアンダンスというとどんなダンスを思い浮かべますか?一般的には腰を激しく動かし早いリズムに合わせて踊るイメージですよね、、!実は、タヒチアンダンスにもたくさんの種類があります。
今回はタヒチアンダンスの種類とそれぞれの特徴を詳しくご紹介します!
■ 力強くダイナミックな「オテア」
(1) ダンスの特徴
元々は戦士が躍る踊りで男性のイメージが強いダンスです。タヒチアンダンスの中でもっとも有名といわれる踊りで、激しく情熱的に踊るダンスが特徴です。歴史を伝える場合や、勝利の喜びを伝えるため、歓迎の儀式のためなどに踊られています。男性は足を、女性は腰を激しく動かすのが特徴です。女性は、多いときで1分間になんと200回以上も腰を振ることがあるそうです。
オテアは以下の3種類に分かれています。
・男女で踊る...オテア アムイ
・男性だけで踊る...オテア タネ
・女性だけで踊る...オテア ヴァヒネ
(2) オテアを踊る時の衣装
オテアを踊る時、女性の衣装は「モレ」といわれる伝統的なスカートを着用するのが基本です。「モレ」とはプラウと呼ばれるハイビスカスのような花が咲く植物(木)のことです。この木の皮を細く剥いで束ねてスカートにします。男性はマロと呼ばれるふんどしに似たスタイルで、葉っぱや樹皮などを用いたワイルドさを感じさせる衣装が特徴です。
どちらも腰の動きを強調させはっきり魅せるのに適しています。
(3) 歌詞の無い音楽
オテアは使用される曲には歌詞がないのが特徴です。トエレと呼ばれる伝統的な打楽器や太鼓類だけで演奏されます。打楽器のテンポの速いリズムに合わせながら男性は足、女性は腰を激しく動かしながら踊ります。打楽器のみで構成されるとてもシンプルな音楽だからこそ、よりダンサーが際立ちます。
■ 優雅な手の動きで伝える「アパリマ」
(1) 踊りの特徴
アパリマのアパは「表現」、リマは「手」を意味していて、手の動きによって歌詞の内容や物語を表現します。基本的にはゆったりとした優雅なものがメインです。しなやかな女性らしさを全面に押し出した、優しく美しい動きが心に響きます。楽器は、打楽器などはもちろんのことギターやウクレレを使用することも多いです。また、タヒチは豊かな自然に恵まれた土地の為、歌詞も自然にちなんだものが多くハンドモーションで優雅に表現します。また、アパリマは動きが以下の2種類に分けられます。
・アパリマ・ヴァヴァ...無言でパントマイムのように動く
ダンサーは座りながら踊るのが一般的
・アパリマ・ヒメネ...弦楽器のメロディに合わせて歌いながら踊る
(2) 華やかな衣装
アパリマの衣装は基本的に膝を隠す丈のものが多く、パレオやロングドレスを着用することもあります。女性はパンダナスという植物を用いた自然素材だけの衣装がメインとなっていますが、ほかにも足首までの長さがあるパレオやロングドレスを着用することもあります。
(3) アップテンポからバラードまで
アパリマはリズムに合わせて踊るオテアとは違い、ギターやタヒチアンウクレレを用いて演奏されるメロディに合わせて踊るのが特徴でもあります。使用する曲は歌詞がついているものが多く用いられます。また、曲調も明るいアップテンポのものからゆったり穏やかなバラードまで幅広い音楽のテイストに合わせて踊ります。
■ 掛け声のやり取りが印象的な「パオア」
半円または円形になってダンサーたちが座り、ペアになった男女が掛け声で立ち上がって順番に短いダンスを披露していきます。ここで披露されるダンスは基本的に即興の踊りです。ダンサーによってそれぞれ違うダンスが披露されるので、見ている側も飽きがなく楽しめます。パオアでは女性が男性を誘って1組のカップルになり、その後に続くヒヴィナウという踊りで、みんなで円になって祝福をします。
■ 2つの円で踊る「ヒヴィナウ」
男女がそれぞれ円を作って音楽に合わせて逆方向に回りながら打楽器の演奏に合わせてワンフレーズずつ順番に男女ペアで踊るダンスです。伝統楽器の演奏に合わせて中央の男性ソロリストがリズミカルに歌う間に、逆方向に回ります。2つの縁が向かい合って立ち止まったときに「アッヒリアッハァッハア」と答え、フォークダンスのように相手を変えながら踊りを続けていくのです。男の人と女の人がそれぞれ違う動きをすることもあるので、動きの変化もとても楽しそうですね!